子猫がかかりやすい病気とそのケア

執筆: クリッシー・クリンガー
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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人間でも動物でも、幼い子どもは抵抗力が弱く、おとなよりもかかりやすい病気があるという点では同じです。小さな愛らしい子猫が病気になるなんてことは考えたくもないですが、子猫にもかかりやすい病気があります。症状が見られたらすぐに行動を起こして対処できるよう、準備しておきましょう。

Scottish fold cat in a plastic protective cone

寄生虫

子猫を初めて家に連れて帰ってきたとき、もしかすると気づかないうちに耳ダニやノミなどの寄生虫 も一緒に連れてきてしまうことがあるかもしれません。これらの虫は、その猫の健康に影響するだけではなく、同居している他の動物にうつってしまったり、人間にまで被害を及ぼすということもあります。寄生虫がいても、特にこれといった症状を示さない場合もあるので、できるだけ早く獣医師の健康チェックを受けるようにしましょう。寄生虫がいる場合によくみられる代表的な症状には、頻繁に引っ掻く、一か所を過剰に舐める、頭を振る、皮膚に赤い斑点がある、便がいつもと違う、などがあります。これらの症状に気づいたら、すぐ動物病院に連れて行きましょう。とりあえず自分で何とかしたいという心情はわかりますが、たとえ猫用と書かれた市販薬でも、子猫にも使用できるかどうか獣医師に確認せずに使用するのはやめましょう。

甘く見てはいけないカゼ症状

子猫に目やに、鼻水、くしゃみ、または荒い呼吸が見られるときは、上部気道感染症を起こしている可能性があります。これらはいわゆる猫カゼの症状ですが、猫の場合にはウイルスが関与していることが多く、体力のない子猫がかかると重症化しやすいのです。そのため、このような症状が見られたら、様子を見ることはせず、できるだけ早く動物病院で治療を受けることがとても大切です。Pet Health Network では、状況によっては、獣医師はそのカゼ症状が猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)のような、もっと深刻な問題に関係していないかどうかを確認するための血液検査を勧めることもある、と紹介しています。

誤飲・誤食

子猫は好奇心旺盛なので、おもちゃやヒモ等食べるべきでないものを飲み込んでしまったり、観葉植物をイタズラしたり、被毛に付いた微量の有害な化学物質やオイルを毛づくろいの時に自分で舐め取ってしまうというようなことが起こる可能性があります。こういった状況だと、まず最初に消化器症状が出ることが一般的ですが、消化器症状と言っても、嘔吐や吐出、下痢や便秘等がありその程度も様々ですし、時には元気がない、震える等の全身的な症状が出ることもあります。
米国動物虐待防止協会(ASPCA)は、猫に有害であったり死に至らせることもあるエッセンシャルオイル、洗剤、花、観葉植物などは猫の飼育環境から取り除いておくように警告しています。子猫が消化器の症状を示していることに気づいたら、2~3時間は注意深く見守ってください。一日で自然に治ることもあります。猫が何も食べようとしない、動けない、震え始めたといったときは、直ちに動物病院を受診してください。その際には、猫が口にした可能性があるものを獣医師に説明できるようにしておきましょう。

子猫の病気の時のケアで大切なこと

診断を受けて治療計画が立てられたら、獣医師の指示をきちんと守らなければなりません。処方された薬を2~3回飲ませて良くなったように見えたとしても、勝手に飲ませるのを中止したりせず、指示どおりに最後まで飲ませましょう。そして、再診のための来院を忘れずにしてください。

ノミがいた場合、子猫自身に対するノミ駆除の処置が必要なのはもちろんですが、併せて家(環境)の念入りな清掃が必要で、特にカーペットには十分に掃除機をかけるようにしなければなりません。ノミの成虫は動物に寄生するものの、ノミの卵や幼虫、サナギは動物の身体から離れて、家(環境中)の特に暗い隅っこで何か月も生きていることがあるからです。また、ノミの駆除についても定期的に行わなければいけないのもこのためです。複数のペットがいる場合には、そのそれぞれに対してノミ駆除が必要になります。ノミ駆除薬については、獣医師に相談しましょう。

子猫が頻繁に消化器の問題を起こすときは、何らかの感染症や寄生虫のほか、家にある何かやキャットフード中の何らかの成分に対する過敏症を起こしているといった可能性も考えられます。いずれにしてもきちんと診察を受け、獣医師にキャットフードについても指示された場合には、それだけを与えるようにします。他の家族が抜け駆けしてこっそりおやつを与えてしまう・・なんてことが決してないようにしておきましょう。

Girl holding meowing kitten in her hands

病気の種類や原因によって、細かい対処方法は異なるものの、飼い主としてできることは、獣医師の指示に従うことと、子猫がゆっくりと休める環境を整えて、構い過ぎないことです。
子猫が具合が悪い時は、まず猫のためにゆっくり安心できる場所を確保し、隔離します。ほかのペットに邪魔されることなく、好きなだけ休ませてあげましょう。十分な睡眠をとることは、病気の治癒には大切なことです。また、猫が寄り添って暖まることのできる肌ざわりのいい毛布かタオルを近くに置いてあげましょう。吐しゃ物等で汚れることもあるので、洗濯しやすく乾きやすいものを選ぶとよいでしょう。さらに、病気のときの栄養管理は特に重要なので、食事量や飲水量は記録しておくようにしましょう。
最後に、子猫の病気の時のケアでもっとも重要なのは、できるだけ触れたり動かしたりしないようにすることです。触れられたり動かされたりすることで悪化してしまう病態もあるからです。どうしても子猫に触れなければならないときは、望ましくない細菌やウイルスを子猫や家にいる他の動物にうつさないように、触れる前と後に必ず手をよく洗いましょう。

予防

病気は、そうなったときのケアの方法を知っておくことと同じくらい、予防する方法を知っておくことも重要です。子猫の病気を予防して、健康な成猫に成長するために役立つ簡単なアドバイスをご紹介します。

  • 早めに、そして頻繁に、獣医師による健康診断を受けること。子猫を迎えたらすぐに獣医師の診察を受ける必要があります。健康診断とワクチン接種をきちんと受けること、そして健康診断の時には糞便検査のために便を少量を持参しましょう。
  • 子猫のワクチン接種の時期や予防接種の重要性についての詳細はこちらをご覧ください。

  • 毎日一緒に過ごす時間を設けて、猫のルーティーンを知ること。。猫の「正常」をちゃんと知っておかないと、具合が悪くなってもなかなか気づきにくいものです。睡眠時間はどのくらいか、入り浸っているお気に入りの場所はどこか、毎日何時頃に食事をしているか、誰と一緒に過ごすのが好きか、などを知っておきましょう。日頃から注意深く観察していれば、どこか具合が悪くなって猫がいつもと違った行動を始めたときに、すぐに気づくことができ、それだけ早く対処することができます。
  • 家の環境をよく把握しておくこと。家の中にある物は、人間には安全であっても、猫にはそうでないことがあります。子猫を家に連れ帰る前に、子猫にとって危険な場所や物がないか確認しておきましょう。例えば、子猫が中で動けなくなってしまいそうな狭い場所や、絡まってしまいそうな紐類(ブラインドの紐など)、とくに注意したいのは、植物、食品、化学物質等です。子猫の成長に合わせて、他の家族や友人が家に持ち込む物にも注意しておかなければなりません。
  • 良質な栄養が大きな役割を果たすことを理解すること。猫に適切なビタミン・ミネラル類がバランスよく含まれた良質なキャットフードを与えることは、子猫の健康維持に多いに役立ちます。愛猫にあった食事について獣医師に相談してみましょう、そして、与える量や回数は必ず獣医師の指示どおりにしましょう。
  • 毎日運動させること。猫は眠ることが好きですが、毎日少しでも運動させることは肥満の防止に大いに役立ちます。子猫の頃からおもちゃ等を使って一緒に遊び、楽しみながら運動する習慣をつけることは、生涯を通して健康維持のために大切なことです。

迎い入れた子猫が具合が悪くなってしまうと、ものすごく心配ですし、何でもできることはしてあげたいと思うでしょう。ここでご紹介した内容がいざという時に役立つよう、是非できるとこから実践してみてください!

執筆者 経歴

Chrissie Klinger

筆者紹介

クリッシー・クリンガー
クリッシー・クリンガーは、2人の子供、夫、そしてペットと暮らしています。授業中や、本やブログの執筆活動中を除いて、家族みんなで過ごす時間を楽しんでいます。飼い主とペットのアクティブで有意義な生活に役立つ記事の執筆に情熱を傾けています

 

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