ドッグフード(餌)の種類や選び方について【獣医師監修】

執筆:
所要時間:

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ドッグフード(犬の餌)の種類

愛犬に与えるフードはみなさん気になりますよね。種類ごとの特徴をしっかり把握して、犬の健康を考えたフードをあげましょう
ドッグフードには、総合栄養食と療法食、一般食に大きく分かれます。

種類

特徴

総合栄養食

主食用で、栄養バランスをしっかり摂ることができるドッグフード

療法食

病状に合わせて栄養素を摂ることができる健康維持ドッグフード。獣医師に相談する必要あり

一般食

主食である総合栄養食に対し、おかずやおやつとして与えるドッグフード

ドッグフード(犬の餌)のタイプ

上記ドッグフードの種類に加え、犬のフードタイプには大きく3つ(ドライフード、セミモイスト、ウェットフード)の種類があります。

フードタイプごとに水分含有量や、給餌のしやすさ、食べるボリュームも変わるため3つのフードタイプの特徴を理解しましょう。

フレンチ・ブルドッグ・イーティング・オブ・ブルー・ボウル

ドライタイプのドッグフード

犬のフードで最も主流なのがドライフード。水分含有量が10%以下でカリカリしているのが特徴。カリカリのドライフードはご存知の通り、消費期限が長く保存が簡単。犬のフードの中でも犬に与える際の飼い主の手間が少なく、主食に使われることが多い。犬によっては食べない、水分不足になるということもあるので食べさせながらしっかり様子を見ましょう。

メリット:消費期限が長い。給餌時の飼い主の手間が少ない。

デメリット:水分が少ないため、しっかりと水分を摂らせる必要がある。ドライフードの硬さにより高齢犬が食べれないことが多い。

セミモイストタイプのドッグフード

水分含有量が25~35%の犬のフードで、押し出し機などで製造されており、発泡していないものであることが定義されています。いわゆる“半生”で、水分を保つために湿潤調整剤を使用している商品が多い。水分が多く風味、匂いもあるのでドライフードに比べ食いつきがよい。購入時には、人工添加物が含まれている商品が多いので成分をしっかり確認しましょう。

メリット:風味があるため食いつきがよい。フードと一緒に水分を適度に摂取できる。
デメリット:品質維持のため小分けが多く、ドライフードと比べ値段が高い。水分が多く柔らかいため歯磨き効果が薄い。

ウェットタイプのドッグフード

水分含有量が75%程度で品質保持のために殺菌工程を経ているものが定義されています。水分含有量が多いのでウェットフードだけでも水分補給をすることが可能。水分が多いので風味、匂いもたっぷりで犬の食いつきが良い反面、流動食のように柔らかいため、犬の歯にはあまりよくない。ドライフードと組み合わせてあげるのが良いでしょう。

メリット:体の中で分解しやすい。犬が食べやすい。あまり噛まずに食べる犬や高齢犬でも食べやすい。
デメリット:保存がきかない。値段が高い。歯磨き効果がない。人工添加物が含まれていることがある。
水分が多いため給餌量が多くなり、またコストも高くなる。

ドッグフード(犬の餌)の選び方

ドッグフードを選ぶためには、どんな原材料が使われているか、栄養素に何が含まれているか、また年齢(ライフステージ)や病気に合わせて選ぶ必要があります。愛犬に合わせて原材料、栄養素を考え、年齢(ライフステージ)や病気、食いつきを試しながら選びましょう。また犬によってアレルギーがあることもあるので、与えているフードの原材料もある程度把握しておきましょう。
選ぶポイント:原材料、栄養素、年齢(ライフステージ)、病気、食いつき、アレルギー
ここではこれらフードを選ぶ際に重要な項目の中身をしっかりと説明していきます。

「原材料」でドッグフードを選ぶ

ドッグフードの原材料は商品に必ず明記されており、「ペットフード安全法」で記載することが義務化されています。原材料表示は“含まれる原材料の重量が多いものから記載すること”が定められています。基本的には日本の法律で原材料をしっかり規定しているため、原材料に危険なものが使われていることはほとんどありません。

原材料の中には“肉類”のような表記のものもありますが、できるだけ何の肉か書いてあるものを選ぶのが良いでしょう。安全性の高い原材料でも、アレルギーや犬の体質によって、体調に異変が起こることも考えられるため、何肉を食べさせると体調が良いなどの情報を蓄積していきましょう。

「栄養素」でドッグフードを選ぶ

犬のフードには、犬の体を形成する栄養素がしっかり含まれている必要があります。
どんな栄養素か把握した上で、フードに含まれている栄養素を見ながらバランスよく給餌しましょう。犬の年齢(ライフステージ)や病状、体調によって必要な栄養素が異なるため、しっかりと犬のライフステージや病状等に合わせて給餌することが望ましいです。

■犬に必要な6大栄養素(水、炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミン)。

  • 犬が生きていく上で必須な水
  • エネルギーとなる炭水化物・脂肪・タンパク質
  • 骨・筋肉・脂肪・血など体を作る要素になるタンパク質・脂肪・ミネラル
  • 代謝機能に必要なビタミン・ミネラル

ほとんどの商品に上記6大栄養素が含まれているはずですが、商品購入前にそれらが含まれているか確認しましょう。

また下記のような病状がある場合には、必要な栄養素が異なることがあるため、獣医師指導のもとで犬の健康維持のフードを選びましょう

  • 消化器系の問題
  • 腎臓の問題
  • 尿路系の問題
  • 肝臓の問題
  • 環境アレルギー
  • 糖尿病管理<

「年齢(ライフステージ)」でドッグフードを選ぶ

ドッグフードを選ぶ際に最も重要な項目が犬の年齢(ライフステージ)とのマッチングです。
犬のライフステージは大きく3つ(子犬、成犬、高齢犬)に分かれます。それぞれの特徴と最適なフードを見てみましょう。

飼い主の前に座る犬

子犬(1歳未満)の餌を選ぶポイントとおすすめ

子犬の食事は、栄養素、カロリー、美味しさがそろっていないと食いつきが悪いだけでなく、免疫が低下し、病気がちになってしまうこともあります。 1歳までの発育期は免疫力を保つことが重要です。抗酸化成分による免疫力の維持、カルシウムとタンパク質で強い骨格と筋肉をつける必要があります。 

★子犬用オススメのヒルズ犬用フード
脂肪分の少ないたんぱく質や高品質な魚油など、ヒルズの子犬用フードは、幼犬期の元気な体をサポートすると同時に、健康的な脳、目、骨格の発育を助けるよう開発されています。
子犬用ドッグフードはこちら

成犬(1~6歳)の餌を選ぶポイントとおすすめ

成犬期になると、これ以上成長することは基本的になくなるため、フードの目的は「健康」になります。子犬期よりも少しカロリーを抑えた成犬期用のフードを与えましょう。また成犬期に偏った栄養のフードを食べていると健康被害を起こす可能性が高くなります。タンパク質やビタミン、ミネラル等がしっかり入ったドッグフードを選びましょう。

最も充実した成犬期の犬の健康を維持するために、成犬用フードは、高品質な原材料を適切なバランスで提供するだけではなく、抗酸化成分やオメガ6脂肪酸を配合し毎日の健康ニーズをサポートします。
成犬用ドッグフードはこちら

高齢犬(7歳以上)の餌を選ぶポイントとおすすめ

高齢期になると体調、健康に変化が起こります。またドライフードのような固いフードを食べられないということもあります。
犬種やサイズによって起こる変化が異なるため、それぞれにあわせたバランスのよい栄養を摂る必要があります。

高齢期を迎えると、ポリフェノールなどの植物由来の栄養成分やカルニチンなど運動や脳機能など特殊なニーズをサポートする栄養が必要になります。

高齢犬用ドッグフードはこちら

 

ドッグフード(犬の餌)を食べつかなくなったら?

犬がフードに食いつかない、食いつきが悪いということがよくあります。
食いつきが悪い場合に、飼い主の多くがフードに飽きたのではないか?と思ってしまいがちですが、それ以外にも風味がなくなっている、運動量とのバランスが悪い、ストレス、環境の変化、病気なども原因として考えられます。またダブルコート(毛が二層構造)や短頭種の犬種は、夏バテ気味になると食事が減りる傾向があるので注意が必要です。
食いつきが悪くなったら、運動量を少し増やしつつ、ドッグフードを36℃程度に温めて給餌してみましょう。ドッグフードを温めて風味、匂いを強く出すことで食いつきがよくなることがあります。
食いつき不振が続く場合には、病気の可能性もあるのでなるべく早めに獣医師さんに診てもらいましょう。 

食べ物の好き嫌いが激しい犬の対処方法のページでは食いつきが悪い際にどういう対処法をとるべきか解説しています。あわせてご覧ください。

犬のおやつ

犬のおやつはトレーニングやごほうびにあげることが多く、あげるものは総合栄養食では足りない部分を補うものだと最適です。おやつは1日に必要なカロリーの20%を目安にすると良いでしょう。また犬のおやつはできるだけ小さくしてトレーニングに使用するなど、運動と合わせて複数回に分け与えましょう。

手作りのドッグフード(犬の餌)のデメリット

手作りのフードを与えている飼い主さんが多くいますが、実際のところ栄養学を学んでいるというケースは少ないため、手作りフードだけの場合、栄養失調になってしまうこともあります。手作りフードで楽しい犬との生活をおくるのも良いですが、どうしても日々の作業で負荷がかかったり、栄養を考える必要、保存がきかないのでコストが高くなるなどのデメリットが出てしまいます。

ヒルズのドッグフードの特徴

ヒルズのドッグフードは、220人以上の獣医師、栄養学博士、食品科学の専門家によって研究を重ね、栄養素の高いフードを作っています。また900頭以上の犬と猫が広大な土地で暮らし テイストテスターとして、日々フードの好みやライフステージに合わせたフードの粒や形、サイズ、硬さを教えてくれます。

またヒルズのサイエンス・ダイエットはライフサイエンスに基づいた栄養で、様々な年齢や大きさへの成長過程で必要な栄養ニーズに対応します。
そのほかにも病気別(特別療法食)のヒルズ プリスクリプション・ダイエットや、免疫力維持に考えたサイエンス・ダイエット〈プロ〉があります。
詳しくはヒルズのドッグフードの選び方をご覧ください。

Contributor Bio

高橋智司

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

関連記事

  • ナチュラルペットフードの「ナチュラル」とは?

    ペットフード安全法では、化学的な合成物に属する添加物等について、仮に一生食べ続けたとしても大丈夫なように使用量の上限が定められていますので、「ナチュラル」な製品の方がそうでないものよりも安全であったり健康維持に役立ったりするという訳ではありません。
  • グレインフリーはすべてのペットに最適でしょうか?

    最近パッケージに、「グレインフリー」と表記されたペットフードが多く販売されていますが、これらはグレイン=穀物を原材料に使用していないことを指しています。○○フリーと書いてあると何となく健康に良さそうなイメージがあるかもしれませんが、全てのペットがこのような食事を食べなければならないわけではありません。
  • 高タンパクフード:愛犬にとって最適なタンパク量はどれくらい?

    高タンパクフードは愛犬の体に良さそうです。でも、犬って本来、肉食動物ですよね…違いますか?しばしば耳にする意見です。ここではどんな種類のタンパク質をどれくらい摂ることがベストなのかを学んでいきます。
  • ペットフードに重要な栄養素と原材料の最適なブレンド

    Dogs running 栄養素も、高品質な原材料も-ペットフードにおいては、これら両方の要素が大事です。栄養素、品質、そして味のために選ばれた原材料の最適なブレンドが必要です。

関連商品