猫を外に出すときに知っておきたいこと

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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野良猫を家の近くで飼う

個々の性格や育った生活環境などによって、猫ちゃんが外に出る機会があるかどうかは様々だと思いますが、外というのは猫にとって多くの危険があることを、飼い主さんは理解していなければなりません。車や電車などの交通機関のほか、犬などのほかの動物、あるいは野良猫、 ノミなどの寄生虫 や 感染症などの病気といったことまで、数えたらきりがありません。もし、愛猫が外に出る場合には、猫の健康と安全を守るための注意点をおさえておく必要があります。

外に出しても大丈夫な時期とは

まず、免疫が不完全な子猫は、ワクチンプログラムが終了するまでは、外に出したり素性のわからない猫たちと交流したりするのは避けるべきです。

子猫のワクチン接種をまだ終えていない方は、時期や種類について解説したこちらをご覧ください。

さらに安全面を考えると、不妊手術  を終えるまでは外に出すのは危険です。未去勢のオス猫の場合、行動範囲がずっと広くなり、他のオス猫と喧嘩になりやすい傾向があります。猫は喧嘩して負傷すると咬み傷から膿瘍になることが多く、ウイルス性疾患に感染してしまうこともあります。一般的に猫が一連の予防接種を終えて、不妊手術ができるのは6か月齢前後です。

外に出すタイミングに工夫を

時間帯でいうと、やはり夜間は視界が悪く事故などにも遭いやすいので、明るい日中の方が安全です。また、猫が帰ってきやすいように、事前にトレーニングしておく方法もあります。たとえば、決まった時間に食事を与える習慣にしておいて、その食事時間の少し前に外出させるようにする、といった方法です。猫は空腹になって、帰宅しやすくなります。あるいは、食事やご褒美のおやつの前に必ずベルやクリッカー、鍵のジャラジャラ音などの音を鳴らすように猫をトレーニングすることもできます。ありがちですが、キャットフードの袋を振るだけで猫たちがワサワサと走り寄ってくることもあるかもしれません!外にフードを置いておくのが有効な場合もありますが、近隣の猫たちが寄ってきてしまって、かえって愛猫が怖くなって帰宅しづらくなってしまうこともあるので、必ずしも役に立つとは限りません。

外に出ることを想定して、やっておきたい対策

昔ながらではありますが、首輪に鈴をつけるのは、猫の居場所の確認のための分かりやすい方法のひとつです。さらに、マイクロチップの装着は、万一の脱走の際、猫が見つかったときに飼い主のもとに帰ってくる可能性を高めてくれます。飼い主の詳しい連絡先を登録して、猫の首輪に取り付けるコード化されたペットタグもあるようです。このようにIT化されたタグは、単に見て分かる個体識別の手段であるだけでなく、個人情報を守る方法でもあります。というのも、かつて住所を刻印したペットタグを使っていた飼い主が、猫を見つけたという人物に誘い出され、帰宅してみると泥棒に入られていた、という話もあるからです。

猫の帰巣本能を手助けしてくれる方法として、家から猫の匂いの付いたものを持ち出して家や庭と外との境界に置くことが役立つこともあります。猫がなかなか帰ってこない緊急事態には、寝床の一部、毛、 トイレの猫砂などを利用するといいでしょう。

猫を外に出してはいけないとき

外に行くのが習慣になっている猫でも、引っ越ししたときは少なくとも2週間は猫を外出させずに室内に居てもらうようにしましょう。猫が新しい家で安心してリラックスできるようにプラグインタイプのフェロモンディフューザーを利用するのも一案です。また、万一、猫が迷子になったときに張り紙に使えるように、愛猫の最近の写真もとっておくようにしましょう。

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司

アソシエイト ディレクター、獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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