チョコレートを猫にあげてはいけないの?

執筆: クリスティン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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犬がチョコレートを食べて病気になったという話はよく耳にしますが、チョコレートは猫にとっても深刻な健康被害をもたらす食べ物で、分量によっては致命的となります。

なぜチョコレートは猫にとって有害か

砂糖、脂肪、キシリトール(砂糖の代替品)も猫にはよくありませんが、チョコレートには動物の健康に被害をもたらす2つの成分、カフェインとテオブロミンが入っています。テオブロミンとは、カカオに含まれるアルカロイドの一種です。特にこのテオブロミンは、 Frontiers in Pharmacology  誌に掲載の研究でも指摘されているように、猫を含むほとんどの動物にとって有毒であることが証明されています。

カカオの木はラテン語で「テオブロマ・カカオ」、つまり「神々のための食べ物」と呼ばれており、焙煎した豆からおいしいチョコレートが作られます。しかし、人間にとっておいしいものでも、動物にとっては危険なものなのです。

動物にとって危険な理由

Chocolate bar with broken off pieces.

問題となる成分、カフェインとテオブロミンは、興奮剤としての作用を持ちます。チョコレート以外にも多くの飲食物に含まれるカフェインは、猫が摂取すると有毒となります。 バンフィールドペット病院 によると、「嘔吐、下痢、喉の渇き、落ち着きのなさ、心拍数の増加」を引き起こすといいます。テオブロミンを摂取しても、同様の症状が起こります。

どのくらいのチョコレートが「多すぎ」?

チョコレートは猫にとってどんな量でも多すぎです。また、どのような種類のチョコレートでも危険なのには変わりありません。ココアの粉末から製菓用チョコ(テオブロミン濃度が最も高いため毒性が一番強い)、ダークチョコ、セミスイート、ミルクチョコ、さらにはカカオの割合が低いホワイトチョコまでも。

ただし、毒性の強さは、摂取量と種類によって異なります。 Petful, によると、4.5キロの猫の場合、製菓用チョコはひとかけでもチョコドロップ23個と同等の毒性があるとのこと。ほんの少しだとしても決して猫にチョコレートはあげないようにしましょう。分量に関わらず病気になってしまいます。

どうしよう?猫がチョコを食べちゃった!注意すべき症状

これまでもいくつかの症状を紹介しましたが、具体的に次のような症状が出ていないか注意しましょう。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 吐き気
  • 心拍数の増加
  • 過度の喉の渇き
  • 過度の排尿
  • 多動性
  • 落ち着きのなさ
  • 体温の上昇
  • 速い呼吸やあえぎ
  • 筋肉の震えやけいれん
  • 低血圧
  • 発作
  • 昏睡

もしチョコレートを食べてしまった場合は、すぐに動物病院に連れて行き、中毒の度合いを見てもらい、治療を受けましょう。治療が終わっても、毒素が完全に排出されたことが確認できるまで猫の体調に異変がないか注意を払ってください。

具体的にはどうしたら?

猫は飼い主の感情に左右されるので、まず自分が落ち着きましょう。中毒症状が悪化しないように、涼しくて静かな場所で猫を落ち着かせます。

毒素の消化を防ぐため猫に嘔吐させるよう獣医師から言われるかもしれません。動物病院に連れて行くと、まずは水分補給がなされて、検査が行われるでしょう。猫の健康状態と体重、そして食べてしまったチョコレートの種類や量に基づいて、さらにどのような検査や治療が必要か判断されます。

このような事態を防ぐには?

チョコレートを食べてしまわないようにすることは100%可能です。何よりも、チョコレートを猫が届くところに置いておかないようにしましょう。猫は好奇心旺盛で、想定外の行動をとります。キッチンをうろつくのも大好き。ですので、チョコレートは必ず密閉容器にしまっておきましょう。危険なのは、板チョコだけではありません。ブラウニーやドーナツ、クッキーにキャンディーなど、チョコレートを含んでいるものはたくさんあります。特にハロウィーンなどは要注意ですね。パーティーなどを開く場合は、お菓子を猫が届かない場所に置くようにし、終わったらすぐに片づけましょう。パーティーでお友達が「猫ちゃんにチョコあげていい?」と聞いてきても、これで「それはやめてね」と言えますね。

猫を飼っていると、やはりご褒美をあげたくなります。でもそれは、安全な猫用のおやつに限定するようにしましょう。きちんと猫の健康を考えて、猫が喜ぶように作られた食べ物ですから。しかもそうすれば、ちゃんと自分用にチョコをとっておけますしね。

Contributor Bio

Christine O'Brien

クリスティン・オブライエン

執筆の仕事をしながら母親として、また2匹のロシアンブルーの飼い主として毎日を送る。ペットや妊娠、家庭生活についての記事をCare.com、What to Expect、Fit Pregnancyなどにも掲載している。InstagramとTwitterのアカウントは、@brovelliobrien。

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